期待値

期待値はあくまでも平均的にはその値が期待されているということなので、その試行を1回しかしない場合は参考にしかならない。例えば、1000万円もらえるとして、成功率75%の倍プッシュをするべきか考えているという状況を考える。期待値は1000万円×2×75%=1500万円となるので、500万円儲かることが期待される。しかし、もし運悪く25%の確率で失敗した場合は、もらえるはずだった1000万円を失い、そのことをずっと後悔することになるかもしれない。

ところが、試行を何回も行ってその平均をとるとすると状況がかなり変わってくる。例えば、上の試行を100回行ってその平均をとることを考える。このとき、50回以上成功すると1000万円以上もらえるわけだが、その確率は Maxima だと以下のように計算される。

load(distrib);
1-cdf_binomial(50-1,100,3/4);
float(%);

ここで cdf_binomial(50-1,100,3/4) は3/4の確率で成功する試行が100回中0回から49回成功する確率を計算する。以下にいくつかの場合についての結果を示す。

n 回以上成功 確率(近似値) x 万円以上を得る
50 0.99999998 1000
60 0.9997 1200
70 0.896 1400
75 0.553 1500
76 0.462 1520
80 0.149 1600
85 0.0111 1700